膀胱灌流について

膀胱灌流



血尿が出ている際に行われる膀胱灌流。実施する際の注意点をお伝えします。

膀胱灌流とは

3wayカテーテルを挿入して生食を膀胱内に流すことで血尿を薄め、凝塊血が形成されることを防ぐために行われます。血尿が濃く膀胱内で凝塊血ができてしまうと尿道で詰まってしまうなど尿閉となってしまいます。また尿道留置カテーテルを挿入していても、凝塊血がその尿道留置カテーテルに詰まってしまうことで尿閉となってしまい、尿道留置カテーテルの入れ替えが必要となることもあります。
膀胱灌流の速度としては医師の指示に従うことになりますが、看護師にある程度任される場合もあります。その場合には血尿スケールで0.3%以下になるように私は調整します。膀胱灌流の目的は血尿によって凝塊血ができ尿道留置カテーテルが詰まることを防ぐことにあるため、血尿を薄めて凝塊血ができないようにすることができれば良いため、0.3%以下とすることができればほぼ尿道留置カテーテルが詰まることはないでしょう。


膀胱灌流を輸液ポンプを使用する場合の注意点

膀胱灌流をするときに滴下速度を調整することが必要となり、手動で滴下させる場合が多いと思いますが、尿量をより正確に管理したい集中治療室などでは輸液ポンプを使用する場合があると思います。輸液ポンプを使用する場合には医師に使用の可否を確認する必要があります。その理由としては、凝塊血によって尿道留置カテーテルが詰まっていた場合でも輸液ポンプは指定された速度で灌流液を押してしまうことになります。膀胱から尿や灌流液が流れでない状態となり、最悪の場合には膀胱破裂の原因にもなってしまいます。そのため膀胱灌流を輸液ポンプを使用する場合には医師に確認をする必要があります。


膀胱灌流中の尿量

膀胱灌流中は蓄尿袋の中には尿と灌流液が混ざった状態になります、そのため尿量を把握するためには蓄尿袋に溜まった液の総量から灌流液を引かなければなりません。その場合に灌流を手動で滴下していると灌流液の正確な量はわかりませんが、上記の項目の説明の通りですので、手動での滴下はやむを得ないと考えられます。医師が正確な尿量を優先するのか、尿道留置カテーテルが閉塞してしまった時のにも灌流が流れてしまうリスクを取るのかといった選択をすることになります。

蓄尿袋がすぐにいっぱいになってしまう

膀胱灌流をしていると蓄尿袋がすぐにいっぱいになってしまいます。灌流の速度にもよりますが、尿量+灌流液が蓄尿袋に溜まりますので、蓄尿袋が限界を迎える前に尿破棄をしなければならないのでルーチンで尿破棄をする前に尿破棄をするなど、蓄尿袋の量には注意が必要です。


まとめ

膀胱灌流を使用する時の注意点について説明してきました。泌尿器科領域でしかほぼ出会うことがないかもしれませんが、いざ膀胱灌流をするとなった時に知識として持っているかどうかは大きな差になってきますので知識としてだけでも持っておいていただければと思います。



最後まで読んでくださりありがとうございました⭐️

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